３・１１

ＮＹに行く事になった。

しかしその目的が、
まさか日本脱出という名目に変わることになるとは、
思ってもみなかった。

2011年3月11日（金）14:46
宮城県沖で震度７の地震発生。東京でも震度５弱を記録。
いつもより長く大きな揺れが２分以上も続いて、
俺は仕事で外にいたが、みんな家の外に出てきた。
その後も数回、同規模の地震があり、電車は前線ストップ。
帰宅できない「帰宅難民」が至る所に溢れかえった。

八王子駅に行くと、駅は大混乱。
バスが動いているということだったが、
バス停には大量の人が密集していて、市の役員が出て、
一人ひとりに案内をしていた
２時間待ち３時間待ちあたりまえ。みたいになっていた。

幸い俺は最寄りの駅までのバスが出ており、
なおかつ、あまり利用する人のいない路線だったため、
数分待つだけで、しかも座って帰れたのだが、
駅周辺は異常な込み方で、３０分経っても２駅しか進まなかった。
バスを降りるとき、運転手さんに、
「これからしばらく大変でしょうけど頑張ってくださいね。」
と、声をかけておいた。
実際その日は臨時でいくつもバスが出ていたようなので、
大変だったろう。

家に帰ると、いろんなものが床に落ちていた。
ガスも止まっていて、風呂に入れなかった。
（※ガスは自分で外の機械を動かして供給しなけりゃいけなかったんだが、
それを知らずに次の土曜日を過ごした＾＾；）
俺の親父と妹の旦那さんは、都内にいて、家に帰れず、困っていた。

日曜日、用事でバイクで出かけたのだが、
帰る途中でオイル切れのランプがついた。
ところが、
ガソリンを入れようと思ったのだが、ガソリンスタンドがみんな閉まってる。。。

え？

不安ながらも走っていると、
何やらハザードなどをつけたりしている長蛇の列を発見。
まさかと思いつつ先まで行ってみると、そこがガソリンスタンド。
列は店の裏側まで並んでる。
先頭付近のバイクの人に聞くと１時間ぐらい待っているという。
とりあえず並ぶが、途中で一向に進まなくなった。
後ろの人に断って、店まで行って店員に話を聞いてみた。
もう次のガソリンの補充はないらしく、これがなくなったら終わり。
店員もあとどのくらいでなくなるのかわからないという。

４台あるうちの２台稼働しているというが、
なぜか今は１台しか使ってない。
車のところに行って運転手に促すと、
「タンクのキャップが左だから、右から入れる機械だと届かない。」という。
それで前の車が終わるまで待っているときた。。。

ったく・・・

俺はそのまた後ろにいたバイクの２人連れに、
「こっちも空いているみたいですよ。」と言って、列を流した。
それからは、店員も気づいて、列を流す動きをしていた。

レギュラーよりはハイオクのほうが残っているというので、
じゃあ入れちゃっていいですかね。と言ってみたが、
『お客さんのモラルに任せます。』と言われてしまった。
まあ、確かに、１時間以上並んでいる人の脇から入って、
じゃあ。ってわけにもいかないか。
結局１時間以上並んで入れてきた。

帰りに近くのスーパーに行くと、なんだか空っぽの棚が目立つ。
缶詰・水・米などの棚が、きれいさっぱり何もなくなっている。

ええ？

家に帰って米櫃を覗くと、あと３～４合しかない感じ。
やばいかな。
夜中に何やら町中に放送していたけが、聞こえない。
何度聞いても聞こえない。
役所に電話するも、込み合っていてつながる気配がない。

次の３月１４日の月曜日。
仕事に行こうと朝７：３０に駅に行くが、駅はシャッターが閉まっていて、
今日は１日中電車の運転をしないという。
なんでも東京電力が「計画停電」という名の停電をするというのでその影響らしい。
昨日のアナウンスはそのことだったようだ。
仕方がないのでその旨を会社に電話。
しかし、どこも混乱しているようで、休みの結論が出たのは９時過ぎ。

家にいても仕方ないので、買い物に行くことにした。
ところがスーパーに行ってまたびっくり、まだ開店前なのに、
店の裏側まで並んでる。

おいおい、マジかよ。。。

当然俺も並ぶ。

停電開始時間になっても停電にならないので、
近くの人に聞いてみると、なんでもやらない・か・も・し・れ・な・い・・・だと。
その後１０時に店が開いたので、みんななだれ込む。
米がやばかったので見に行くと売っている。
速攻で５ｋｇをかごに入れた。そのあと乾電池を買おうと思って売り場に行くが、
人が殺到してて、みんな、つかみ取り状態。一瞬でなくなったので買えなかった。
（※１週間後の週末は近くのnojimaでいくらでも売っていて、拍子抜け。）
レジも長蛇の列で、並んでからレジまで１時間以上かかった。

結局その日は停電は行われず、東電の対応に苦情殺到。
前日の夜９時に次の日の朝停電をやると決定して、
みんなそれに備えているのに、当日になったら時間になってもやらず、
やらないのかと思えば、「場合によってはやるかもしれない」だと。
こんな行き当たりばったりの最低な対応に計画停電ではなく、
「無計画停電」と呼ばれるようになった。
町での放送も聞き取れず役所への電話も東電への電話も、
その日はまったくつながらなかった。

その後も曖昧な表現は続いたが、停電に関しては、
国民がみんな協力する意思があるので、なんとか落ち着いた。

前回、ＮＹに行った時、スーツケースはレンタルした。
普段置く場所に困る。というのもあるし、
２週間で１万円程度ならレンタルで充分だと思った。
しかし、その前回借りたお店は山形県にあるため、
流通が止まっていて、今は業務停止状態になったため、
別のところでレンタルすることになった。
当初、前回と同じ「リモワのＬＬ」を探していたのだが、
値段が高かったり、対応が悪かったりで、
なかなかピンと来るお店にめぐり合わない。

最終的に、
いろいろ探してたどり着いたのはここ。
リモワではなかったけれど、安いし、３日前に届けてくれるサービスも良い。
地震の影響が気になったので問い合わせると、
当初は問題ないと言っていたのだが、
やはり、運送業者のほうからスケジュール通りに届くか保障できない。、
と言われたらしく、ＮＹ出発までに届かない可能性も出てきた。
ヤマト運輸のネットでの伝票番号から検索するシステムで確認すると、
発送してから１日過ぎてもまだ発送のまま。
いろいろと電話をかけて、どんな状況なのか確認するが、
広島を出たかどうかもわからない。という。

これはヤマトだけじゃなく佐川にも言えることだが、
伝票番号から検索して荷物の状況を知るシステム。
正しく記載されていたためしがない。
紛らわしいのでやめれば良いと思う。

結局、すでに地元の営業所に着いていたらしく、１日で届いた。
このお店の担当者さんは、いろいろと親身になってくれて、
もし、出発までに届かなかったら、キャンセルにしてもいい。
という話もしてくれた。
都内にあるお店で、バカ高いレンタル料の癖に、
遅れた場合の対応を聞くと、運送会社に確認してください。だけで、
自分たちのお店としてどう対応するのかまったく考えていないところがあったりで、
確実に届きそうだけれどもお付き合いしたくないお店もあったため。
この対応は嬉しかった。

スーツケース。
代金引換だったのだが、財布にお金が無い。
早速近くのコンビニにおろしに行くが、
みずほ銀行がシステムトラブルで、ＡＴＭが使えない・・・
せっかくスーツケースが１日で届いたのに、今度はそれに払うお金が無いと来た。
家中の引き出しから洋服のポケット、
ありとあらゆるところを引っ掻き回し、やっとのことで支払い金額到達。
支払いはしたものの、お金が下ろせないんじゃ、空港にも行けやしない。
みずほのカスタマーセンターは混んでて全く繋がらない。
それでも根気良く電話をかけ続けたら、つながり、
各営業所で窓口対応でお金の引き出しはできると言う話。
次の日行って下ろしてきた。

一つの大震災が起こったために、いろいろなところに影響が出て、
日常生活にも影響する。
でもなんとかなった俺

だが、問題は被災地で拡大し続けている。